元ゴールドマン・サックスの経済アナリストで、現在は日本の中小企業の社長という異色の肩書を持つデービッド・アトキンソンさん。
そんな彼が、この程上梓した本が『国運の分岐点』です。

アトキンソンさんは、日本の生産性が低いのは「非効率な産業構造」を保護して来たことが要因だと言っています。
つまり、「中小・零細企業保護」がいけないと言うのです。
日本の労働者の約7割は中小・零細企業で働いていますから、ほとんどの日本人の生活にかかわる重要な問題を指摘しています。
筆者はこの問題の専門家ではないので、この指摘が正しいかどうかの判断は今のところできません。
しかし、給与や待遇面で中小・零細企業が持つ課題は、常識として理解しているつもりです。
日本人の貧困化も表面化して来ているので、政府の政策や社会の構造的な不備が重なり合って日本経済は低迷しているのでしょう。
失業者を増やさずに、中小・零細企業から大企業に仕事と労働者を移行し、給与と待遇、生産性を上げ、生きづらい日本から脱却できるのか、それが課題になっているように思います。
今後もこの問題を注視して行きたいと思います。
…では、何が日本の生産性を低くさせているのでしょうか。これまで30年にわたって、日本経済を分析してきた私がたどり着いた結論は、「非効率な産業構造」です。高度経済成長期から引きずっている時代錯誤な産業政策、非効率なシステム、科学的ではない考え方などが日本の生産性を著しく低下させているのです…
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